2014年1月19日日曜日

大きな器




NHK「龍馬伝」で注目された書家の紫舟さんの著書「龍馬のことば」を拝読した。
彼女の書ひとつひとつに、自身の解説が寄せられている。
その中に、こんなページがあって、その洞察力に胸を打たれた。


坂本龍馬の少年時代のエピソードのひとつ。 ある日、大雨のなかを歩く龍馬に、剣術の恩師がどこへ行くのかと尋ねた。すると水練に行くという。大雨の日にわざわざ水練に出かけることに訝(いかぶ)る恩師に、「どうせ濡れるのだから、晴れでも雨でも同じだ」と答えたといわれている。

紫舟 「雨のなか泳ぐことを見つける龍馬さんなら、雨に濡れながら涙を流すこともあったのではないでしょうか。人を惹きつける大きな器は、失った多くのものを背負い、心のなかで哀しみにひたすら耐えて痛みを知る人間だからこそ備わったもののような気がします」




水に入れば必ず湿ふ 豈に晴雨の別を問はんや



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