「しつけ」とは、元来、和裁をする時に縫いにくいところ、しかもその部分の出来不出来で「したて」の腕が問われるような言わば急所ともいうべきところにかけられたそうです。
ですから、「しつけ」は、どこででもかけるものではないし、また、難しいところにかけるため、忍耐と技術が必要になってくるらしいのです。
そのことが、子供のしつけにも当てはまるように思います。
特に「しつけ」において、一番大切なことは、それは、いつか取り去られるということ。
そして、「しつけ」の本当の意義は、「かける」ことではなく、しつけを取った後に美しい姿となって完成されること。
ですから、しつけ糸は、金糸や銀糸のように目立つ色の糸を使うのではなく、質素な目立たない糸を使うのが本来の姿。
もし、子供のしつけで金糸や銀糸を使ってかけるとしたら、それは、親の見栄や親の満足でしかなく、「しつけ」ではなく、「おしつけ」になってしまう。
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